Aチーム初発表

1:Aチーム初発表
asae 05/19 21:07
5月に入り、ゼミはようやく自分の研究テーマでの発表を開始。
調査の影響で、例年より1週間遅いスケジュール。就職活動も厳しいし、なかなかエンジンがかからなくて気をもんでいたけれど、今日の発表をみて少しだけ安心。

現在行っているのは、先行研究の理解と整理が主で、これには
  1)自分の研究の基礎知識を身につける
  2)先行研究と比較することで、自分の研究のオリジナリティを考える
  3)研究や論文の作法を知る
という3つの目的がある。
ここをきちんとしておかないと、先に進んだときに、基礎が弱い建物のように研究全体がぐらついてしまう。きれいなパワポやかっこいい発表より、中身が深くて論旨がきちんとした発表をめざすこと。

今年は、珍しく近世以前が多く、かつ社寺や城郭などいかにも日本建築史!!というテーマが多いのが特徴。モノがオーソドックスな分、視点が新鮮なものが多く、その特徴を自分で説明できると面白くなるはず。今週の発表をみたBチームの諸君、来週もぜひ。

以下講評。

〈谷澤〉社寺建築について、平面や意匠ではなく建設プロセスに注目し、そこに関わる人・時間・用材・費用を分析する内容。まず今回は、先行研究を元に、木造建築の実際の工程と関与する職人を理解し、具体例での工費内訳を分析。そのひとつひとつの説明に深さと裏付けがあり、説得力がある。また工費の比較では、なぜ費目別の比率に差が出るのか、理由を自分なりに複数の方向から考えている。この姿勢が大事。次回から具体的な史料の分析に入ってもこの姿勢を忘れずに。研究目的再考。

〈奈須〉これも社寺建築に関する研究だけど、都市内の立地がテーマ。江戸の中で寺院が都市計画上どのように配置され、個々の寺院の配置や性格とどのように関連したかをみる内容。この最初のお勉強に当たる江戸の寺院の数や立地、境内の類型の整理が的確で、発表もビジュアルでわかりやすい。話の中では寺町の作り方が面白く、今後はここに集約していきそう。先行研究が多い分野だから、まずそれを正確に理解した上で、自分のオリジナリティを探したい。研究タイトルと目的は再考。

〈逸原〉うだつの町並みで知られる脇町を核に、周辺の町の調査を実施して、うだつの伝播と派生をみるテーマ。研究目的の説明は、一番素直で論理的。よく考えたことが伝わる。脇町の歴史や交通等についての整理も丁寧で、自分で地図を作成した点も◎。ただ、肝心のうだつに関する先行研究の整理が甘く浅い。これが実際に調査をする際の基礎になるから、うだつの種類、類型別の発生年代や背景を、脇町と周辺地域の調査成果をもとにして丁寧に整理・理解すること。これが終われば現地調査に出発!

〈斎藤〉明治元年の東京遷都から、明治21年の明治宮殿完成までの皇居に関するマニアックな研究。最初に皇居に転用した江戸城御殿も、明治6年の焼失後の再建計画過程も、仮皇居とした赤坂離宮での増改築や転用もかなり複雑だけど、よく努力している。が、それでもなお正確さに欠ける点があり、かつわからない質問も感性で答えてしまっているのがまずい。ゼミの質疑は、答えられればいいというより、自分では気付かない不足点や、他方向からの視点を知って論を深めるためのものだから、「わからない」という事実を自覚することが大事。私自身のコアな専門分野の最も近い点もプレッシャーだし、今後扱う史料も多くて大変だけど、正確さを最優先に進めること。研究目的再考。

〈松尾〉双六などワンショットで都市を表現する画像の比較から、都市に対するイメージの変化を扱う研究。テーマとしては院生の一番人気で、注目度も高いから、つい発表に対する期待も大きくなる・・・が、甘い。せっかく江戸と京都の画像をもう集めたのに、集め方のルール、分類のルールの説明が無いからよくわからないし、集めた画像の分析も薄すぎてもったいない。データを分析するには、方法や事例数など客観的な説明が不可欠で、かつデータの傾向に対して、その理由を自分で「なぜ?」「なぜ?」と何度も考える姿勢が大事。せっかく面白いテーマなのだから、自分の力で面白くすること。研究目的再考。

***番外******
〈青木〉他の人より半年早い7月提出予定。もう研究は終盤で、調査もほとんど終わり、材料はほぼ集まっている。あとは料理だけで、しかもレジュメはちゃんと書けている・・・のに、なぜ発表で自爆するのかが疑問。人に伝えるには、筋道を明確に立てる必要があるし、分類や方法に関する説明が不可欠なのに、それが欠けている。特に、住宅類型別の年代変化は重要で、これをビジュアルに説明することが後半の論旨の最重要課題。全部を一遍に完成させるのではなく、章ごとに丁寧に、一歩ずつまとめることを勧めます。新しい作業は不要だから、論旨を整理することに集中すること。研究目的再考。


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