2015ゼミ第1回発表

1:2015ゼミ第1回発表
Asae 05/18 12:46
今年のゼミ発表がスタート。先週がAチーム、今週がBチーム・・・の予定だったのだけど、先週は発表が3名で、しかも2名が再提出という波乱の幕開け。
そもそも、日頃進んでいる気配が見えないし、質問にも相談にも来ないし、いったい今年は・・・と思っていた通りの展開。あぁ今週も不安と思っていたけれど、まあなんとか足並みが揃ってきて少し安心した。

発表を初めて体験してわかったように、卒論はレポートのように一夜漬けでは乗り越えられないし、ただ本を読んだり調べたりするだけでもダメ。調べたことを自分の研究に必要な情報として整理し、かつ新しくわかった事実をそこに結びつけて考えていくことが大事です。
現在の作業は、「お勉強」のようでつまらないかもしれないけれど、
  1)自分の研究の基礎知識と、論文の作法を身につける
  2)既にわかっている事実を、自分の研究用に再編する
  3)先行研究と比較することで、自分の研究のオリジナリティを考える
という重要な目的がある。
ここをきちんとしておかないと、先に進んだときに、基礎が弱い建物のように研究全体がぐらついてしまうから、手を抜かないこと!

以下講評。
〈秦野〉A-  伊勢原市・大山門前町の関東大震災の被害状況の復原がテーマ。大山は研究室で何度か調査を行っている地域で、その蓄積を元にしたとはいうものの、大山門前町全体の性格や歴史、構成を正確に把握している。他の論文による補足も的確で、理解が深い。惜しいのは視覚的な表現が弱い点。次回から史料等による実際の町の分析に入るから、わかりやすい地図の作成を一番の目標にすること。

〈今泉〉A-  近世〜近代の民家の2世帯居住がテーマ。キーワードとなる「隠居」の法律的・民俗的な意味と、親・子の住居・生活の分離方式を整理した上で、「隠居」に関わる建築例も集めるなど、よく進んでいる。親・子世帯の分割要素として「食事」「住居」「財産」の3点が重視された点は、今日的な課題にも通じて面白い。ダイアグラムも作って、よく理解しているのは伝わるけれど、まだ整理が不十分。課題は、複数の作業の意味を繋げて考えること。民俗的な分類や定義を踏まえて実例をみる場合、何に注目すべきか、例えば「住居」の分離の方法を、図面のどこをみることで判断できるのか、勉強したことと照らし合わせて、考えながら進むこと。

〈鈴木〉B+  合掌造の移築利用がテーマ。初回の発表で撃沈して再提出・・が、出直しの今回は上出来。同じ素材でも、データの使い方、組立て方でこんなに変るという好例。合掌造の特徴を、岐阜・富山の3地域に分けて整理するのが課題で、写真・図面の図示が的確。ただそれを研究で使うには、まだやや理解が弱い。外観・平面・構造に分け、合掌造全体に共通する特徴と、地域ごとの相違を即答できるようまとめてみること。レジュメは箇条書きではなく文章で。

〈佐藤〉B+  地元・秋田の木構造がテーマ。これを、最も平面が単純な「蔵」からみようとしている。まずは木造の小屋組の種類と特性を理解する・・という第一関門はちゃんとクリア。構造に強いだけあって、構造的な説明は完璧。もったいないのは、せっかく小屋組の比較表を作ったのに説明が無いことと、後半のパワポが失速したこと。比較がばしっと説明できたらAなのに・・。早めに現地調査にいけるよう、次はまず秋田の蔵の事例を集めて分析してみよう。

〈荒井〉B  伝統建築職人のヒアリングにより、修業や技術継承の方法を記録し、次世代の職人育成につなげようとする研究。まず基礎知識として、建築職人の分業体制や伝統的な建築工程について学ぶ段階で、工程に沿った職人の整理はよくできている。ただ、近代の新しい材料や技術に伴う分業の整理がいまひとつで、かつ具体的な建築で誰が何を担当するのか、異なるな例をあげて説明できるようにしたい。つまり、「物」と「実態」に即して職人を理解したいということ。材料の話は最少限に留めて、再度整理してみること。次回は職人の聞き書き等からイメージ作り。

〈木崎〉B  地元相模原のうち、かつて蚕糸取引で栄えた上溝地域の集落史がテーマ。この場合、町の歴史を押さえるのがまず常道で、市場の成立やその背景はよく調べているし、理解している。年代ごとの業種を古地図等で調べているのも積極的。が、素材はよく揃っているのに、その料理が上手くない。特に都市史で最も重要な地図の使い方・示し方がバラバラで、かつ時代による変化を話しているのに、年表も、年代すらもない。もったいない。発表で何を伝えたいのか、その内容を画面やレジュメをどう表現すべきか、工夫してみること。次回までに現地調査へ。

〈竹内〉B-  戦前の三井財閥関係者の湘南別荘がテーマで、別荘建築や敷地など「ハード」だけではなく、日記から生活や互いの交流など「ソフト」を読むのが特徴。だから、;三井財閥の人物史をまとめる際に、誰と誰が同世代で、どこで交流があるのか、年代や経歴に関わる情報は重要。そのネットワークを理解するのが、大師会などの近代茶道を調べる目的だから、参加者や創設者、開催場所等の情報が大事。その肝心な内容が不足している。全員の年表と、その関係図を作るくらいの気持ちで、再度整理しなおすこと。

〈柴田〉C  秦野の近代町家とそれを支える職人技術がテーマ。これも木崎と同様、最初は町の歴史と構成の把握が不可欠だけど、煙草産業の記載に振り回されて未完。また、時代の流れと、各年代の詳しい記載で重複が多く、必要な情報の整理ができていないのが最大の敗因。肝心の町や地域の場所もよくわからん。次回から研究テーマを変えるけれど、最初に流れを掴むことは建築史の王道だから、これを教訓に、まず知りたい項目の枠組みを設定し、それに従って複数の論文等から得た情報を整理していく・・という進め方を学ぶこと。

〈渡部〉C- 天皇や将軍などの近世上層住宅の中に作られた宗教的な空間がテーマ。「住む」建築の「祈る」場を扱う着眼点は面白い。まず天皇が住む内裏からスタート。が、建替えの歴史や配置・構成など基本の理解がものすごく薄く、かつ不正確。建築史は「歴史」だから年表不可欠、しかも構成を説明するなら配置も不可欠・・だが、年表は建物の完成年が無いし、配置図も無い。これでは先に進めない。来週までに再提出。


2:Re: 2015ゼミ第1回発表
たーちゃん 05/21 22:52

3:コメント感謝
Asae 05/22 23:06

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