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院ゼミ総括
今週は院ゼミ。
卒論より提出が1ヶ月遅いけれど、そろそろ焦ってくる季節。
今年は、M2の2人とも進捗が安定していて心配無し。2人とももう少し史料抽出が必要だけど、むしろ勝負になるのは、考察の精度と、論文としての完成度をどこまで高めることができるのか。それぞれ課題は異なるけれど、限られた時間を有効に使って、きちんと伝える努力をすること。

平野:『清水寺参詣曼荼羅』2作品を用いて、室町末期の清水寺参詣道と境内の構成と用法を検討。史料性の検討や方法・目的の説明は、あいかわらず丁寧で◎。その後の作業の基本となるのは、描かれた建物や文物の比定で、これを地図や配置上にきちんと当てることではじめて、描かれた人物の行為や性格を場所とつなげて考察できる。ところが、地図が苦手なためかその比定が甘く、異本間での描写の比較も場当たり的で弱い。緻密さ命の平野にしては珍しい。2作品を同じ地図や配置の上でプロットし、各場所の人物の行為も含めて比較してみる。できれば大会に出したいから、まず基本作業を急ぐこと。先行研究の探索を平行。

前島:前川事務所OBのインタビューと原図面の調査を経て、前川國男を中心とした論文構成に変更。今回は、集まった資料や証言を構築して、前川事務所の家具担当の職務と職能、家具デザインの思想を「論じる」ことがテーマ。作品ごとに家具を別個に設計する・・という思い込みがインタビューで覆されて、むしろモダニズム建築の思想に近い普遍性・汎用性を目指していたことが明らかになり、職務やデザインに対する見方も大きく転換。その内容が豊富な証拠できちんと裏付けられて、論理構成としてもばっちり。この文章をできる限り磨き、説得力のある論文にすることと、最後のまとめをただの繰り返しではない「考察」にすること。特に家具に対する思想は重要だから、キーワードを見直し、見過ごしている証拠がないか再検討すること。良い論文になりそう。

丸山:山形の比較として、京都の貴人通行時の準備を検討。山形より事例がものすごく多く、まとめるのは大変だけど、その分傾向はよくみえる。特に、身分による採用要素の相違が明確なため、各要素の序列や、用いる意図がみえてきた。これは大きい収穫で、「演出」として行う行為の原型や背景、採用理由に遡及できる。この傾向をさらに詳しくするために、京都の事例の補足と、キーとなる盛砂・敷砂という行為の前身の考察を加えてみる。また、文献史料を主にするからこそ、こうした要素が実際に行われた場合どんな効果を生むのか、ビジュアルに示す方法を工夫してみること。庇や看板など建築本体の改変に関する検討も残っているから、よく時間を計算して進む。着地点がみえて、格段に面白くなってきた!

byasae  
 [2011-12-13 23:34:36]

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