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Aチーム発表
中間発表を終えて、ゼミを再開。
今日はOG平野悠子お姉様が特別参加。鋭い意見をバリバリ言ってくれて頼もしかった。ありがとう。
例年、中間発表が終わると、一旦まとめたことで方針が定まりぐんぐん進む人と、気が抜けて沈滞する人に分かれるけれど、今日のAチームはもれなく前者。全員、進むべき方向がみえていて、それに必要な作業がきちんと進んでいる。調査系の岡田・藤川・河合・春田は、中間後の調査の整理が的確だし、残る濱崎・伊藤・林&塚原も、新たな資料収集・分析の密度が高い。
発表も本当にうまくなった。

課題はデータの料理方法。せっかく集めた史料や調査成果を活かしきるよう、構成や考察を再度考えてみることが重要。一応全員ゴールはみえている。

以下、発表順に講評。

〈岡田〉中間までの2園に加え、昭和初期開発の2つの住宅地の調査を実施。特に甲風園は、街路構成や宅地割、街路樹等が近代住宅地らしく、児童公園の設置やボンネルフの採用も時代性を示して面白い。地図が緻密で、写真の提示もほぼ適切。今後は、新聞広告等による設計思想や想定購買層の探索、計4園の開発時期・開発主体別の比較による特性の抽出が課題で、それを踏まえて保全すべきポイントを指摘できればOK。考察を心して丁寧にすること。

〈濱崎〉民家48件分の柱配置を図化し、樹種の使い分けの手法を地域・年代差を考察するという驚異的な作業量。分類や年表・事例の図示は的確だし、原生種であるクリと他種との使い分けの地域差の指摘も説得力がある。ただし、全てをこの手法だけで説明するのは無理で、大黒柱や荷持柱、床柱などの役柱や、間柱や庇柱など荷重の負担が少ない柱への利用など、目的別の使い分けも、その複合もありうる。購入材=高級材という現代の先入観を捨てて、再度分析すること。論の独自性を説明するために、先行研究の考察との比較も必須。

〈藤川〉藤沢市明治地区について、地域住民へのヒアリングを実施。この内容が豊かで、江戸期まで遡る原風景や、生活像が具体的にみえたのが大収穫。地図や写真で説明したが、さらにヒアリングの原文引用が入るとリアリティが増す。研究当初と方向性が変ってきたこともあり、ここで全データの組み直しをしてみよう。その上で、各章で補足すべき内容を抽出し密度を上げると、藤川独自の地図ができるはず。地域史・景観史らしい生活感のある論文を目指したい。

〈林&塚原〉住宅会社の広告の変化を、実際の商品の変化と合わせて考察。商品住宅の変化は、5月の発表で一度撃沈したけれど、今回はポイントを理解してまとめていて成長がみえる。ただ、商品の特徴は「工業化住宅」という原則の上で理解するのが大事で、「自由設計」「和風」などの言葉だけに惑わされてはいけない。また、広告のキーワード・画像と合わせる際、商品に「合致」する点を探すのではなく、3項目の変化の画期の一致やずれ、前後での相違など、「流れ」で比較しないと良いとこどりになってしまう。この分析をじっくり、丁寧にしてみること。

〈河合〉今井町の補足調査に加え、保存団体と自治体へのヒアリングを実施。やはり、ただ見るのと聞くのは大違いで、「防災」を物的・人的の2面に分けて考える必要性を痛感。その整理が的確だし、内部からみた課題や取り組みもよく伝わる良い発表。ただし、話し手=河合ではないから、どこまでがヒアリングによる「史料」で、どこからが河合の「考察」なのか、分けて客観性を担保すること。残るは、美山・今井町とも課題に対する提案。類似例の調査を積んで、論理的に説明してください。

〈伊藤〉硝子障子・硝子戸の意匠の変化を、中間までの4冊に5冊を加えて分析。ただ硝子面が大きく、明るい方向に進むのではなく、窓型・帯型なども併存し続ける点がポイントで、かつ新しい意匠が生まれ続ける点もおもしろい。が、「画期」とする年に意味があるかは疑問で、単なる雛形の著者や版元の相違による可能性もあるから要注意。今後は実作品との比較で、雛形(=カタログ)とその応用を具体的にみたい。

〈春田〉これも11月初めに追加調査。浸水を防ぐ石垣や土盛に加えて、生垣や主屋の向きなど配置も調査。中間で集落図や分析の基本形ができて、格段に精度が高くなった。東風を避けるという配置の特徴もおもしろい。ただ、集落間の比較を強調するあまり、配置も植栽も説明に具体性を欠くのが難点。全体で説明すべき内容と、具体例を挙げて詳しくすべき内容のメリハリがつくと、もっとわかりやすく魅力的になるはず。次回の5村の比較では、その点を工夫してみること。

byAsae  
 [2014-11-19 22:27:36]

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