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春学期最終ゼミ(満足)
Bチームの春学期最終発表。
春学期の終了にふさわしい、内容の濃い良い発表。これだけ濃い発表を9人分も聞くと、もうふらふら。だけど、面白くて頭は冴えて、先の希望や課題もたくさん見えてきた。この調子なら、楽しく、かつ充実した夏休みになりそう(妄想)。
レジュメについては、庄司・荒井・吉本の日本語能力が高く、そのまま卒論に使える。他の人も、文章を軽くみないで、毎回きちんと書く癖を付けること。
以下、発表順に講評。

〈武本〉先週と同じテーマなのに、全く違うものにみえるほどの出来。特に、合戦図の城郭表現について、模式図の作成と分析方法が整理され、図から何をみようとしているのかが明確になった点が大きい。絵画史料論らしく、元の絵画と模式図を合わせて示し、その両方で説明する方法もわかりやすい。今後は、建物の細部や動線など、絵画の分析の密度をもっともっとあげて、絵から導ける考察を深くすること。研究目的は◎。

〈池田〉戦後の全雑誌の整理が終わり、1冊ごとの創刊〜廃刊、名称変更などの動きが一覧になった。この表がものすごく魅力的で、何通りもの分析ができそう。今回は、10年ごとの雑誌の総数と分野の動向が中心で、話術も巧みで面白かったが、創刊や廃刊に限定したり、商業誌に限ることで、より時代に密着したデータになりうるはず。分析方法を何通りも試してみたい。なお、この研究はデータの精度が大事なので、一覧表の再確認必須。目的は○だが、図式化は再検討。

〈荒井〉最終的な研究地域を横浜の市域拡張過程から決定し、都市史としてのスタンスが明確になった。新たに加えた神奈川区のデータも正確で、公園の立地と建設年代の全体傾向についてはほぼ整理済み。課題は、各公園の分析の内容が浅いこと。急ぎ過ぎ。まず、戦前までに建設された公園について、年代による機能や性格の変化と、公園内の施設等を、できるだけ1次史料に依って丁寧に分析する必要がある。数が多くなくてもいいから、コアとなる公園の様相を密度濃く論じてみること。研究目的は、公園から都市をみる意味必須。

〈寺籠〉最初期の開港場7都市から、居留地・雑居地を持つ6都市へ、さらに遊興施設を持つ4都市へ絞り、今回は横浜・神戸の2都市の具体的な様相を検討。各段階で必要なデータがきっちり収集できていて、その積み重ねが論を厚くしている。今回も、横浜・神戸の競馬場・公園など施設ごとの立地の変化や、その契機となった事項が的確に整理され、データは十分。問題は、この内容がなぜかレジュメに無いことと、2都市を比較した分析が年代論にとどまること。これだけあれば、複数の角度からの比較が可能なはずだから、集めたデータを120パーセント使いきるつもりで分析すること。研究目的は、今後詰めが必要。

〈庄司〉明治初期に建った藤沢の三觜家住宅の実地調査を実施し、その関東大震災後の補強方法が今回の主内容。小屋裏調査は、暑い、狭くて辛い、汚いの3K系仕事だけど、庄司は適正十分。室内からは見えにくい補強を、図や写真で目に見える形で示し、その効果意図を工学的に説明するという手順があまりにうまくて、毎度講義を聞いている気分。優秀。実態と比較する文献は、震災予防調査会だけではなく、大工向けの技術書など範囲を広げて検討することを勧めます。研究目的◎。

〈相良〉神社境内全体を扱うテーマから、その核として神楽殿や舞殿など舞台建築を扱うテーマに変更。今回はその初回として、国指定・登録文化財や県レベルの調査報告書から事例を収集し、年代や平面の傾向を把握するのが課題。単に舞台といっても、平面に複数あり、かつ江戸後期以降に事例が増えることからみて、神社全体の性格や使い方と関係することは明らかで、その方向性はよくみえてスタートとしては順調。今後は、どう事例を網羅するか、何を基準に分類するか、方法論を早期に検討して進めること。研究目的は、舞台の研究か、神社全体の研究か、方針を再検討。

〈伊藤〉庄司同様、茅ヶ崎の長屋門の実地調査を実施し、その報告が主。材の一本一本を、痕跡を手がかりに古材の転用か、当初の新材かを見分け、その結果を3Dなどの図を駆使してまとめている。ただ「古材」ではなく、それが元はどんな部位だったのかまで踏み込み、よく理解して説明していて、成長が大きい。今回のMVPをあげたい。古材転用について、実際の建物を調査するからこそわかるのは、使用量(率)と使用場所、使用方法。今回はそれが的確に説明されていたから、今後の調査結果についても、この3点が的確に伝わるようまとめたい。研究目的◯だが、図式化はもう一工夫。

〈吉本〉これも、馬入の渡しの茅ヶ崎側に当たる旧中島村で実地調査を初めて行い、そのまとめ。法務局で地籍図+土地台帳も調べて、成果は膨大で、これをまとめるのは大変・・と思ったのに、全て整理し、かつ村の構成や土地所有の地図も作成して完璧!パワポも一気にグレードアップ。今回最大の成長株。9割の住人が明治前期から継続する点、うち半数以上の母屋が残る点が魅力で、生活習俗も含めて丁寧な論を描きたい。夏に再調査必須。研究目的◎。

〈草ヶ谷〉戦後の農村住宅改善について、1次史料からの検討を開始。前回は、資料収集不足であまりに内容が軽かったが、今回はその数倍の資料を収集し、原文を使って項目を整理。内容が飛躍的に濃くなった。利便性から土間を推奨するとか、付属屋との位置関係で平面を決めるとか、いかにも農村住宅らしい提案がある点が面白く、特徴が出そう。全体像がわかったら、内容を濃くするためにもどれかの団体か個人にターゲットを絞った方が面白そうな気がするから、その選定を考えつつ作業をすすめること。研究目的は◯だが図式化はもう一工夫。

byAsae  
 [2011-7-9 15:34:07]

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