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第2回ゼミ発表
ゼミ発表も2回目。
今年はなかなか出足が揃わず、先週のAチームの発表はなんと5名中4名が再発表。
たぶん歴代初ですね。猪狩と2人、不安な気持ちで今週を迎えたけれど、幸いBチームは高め安定、再発表もまあまあで、ちょっと安心。
今回は、婚約直後の谷澤&奈須のOB・OGペアが参加してくれて、活気があってよかった。
どうもありがとう。

が、前回も言ったように、卒論は一夜漬けではないし、その日に格好がつけばいいのでもない。
自分の手で作業を積み重ね、継続して考えていくことで、自分で先を切り開いていくものです。「言われたからやる」と思っているとつまらないし、やる気も出ない。
自分で自分の考えや姿勢を変えない限り、今の中途半端な状況は変らない。
面白さも楽しさも、自分でつくるものだと思うよ。
以下講評。

〈佐藤〉A 秋田県の蔵の小屋組の分析。研究目的OK、事例収集OK、分析OK。特に、資料や分類基準など方法論の説明が丁寧だから、出てくるデータや分析に信頼が持てる。説明やパワポの構成もわかりやすく、中間発表並みの完成度。問題点は事例の地域的な偏りをどう補うか、小屋組の「進化」をどこで評価するのか。今後の構造解析モデルの作成も、「進化」をどこにみるかで方針や条件設定が変ってくる。1事例を例に、作り方を考えてみること。

〈荒井〉A- 建築職人の修業内容を、既刊の聞き書きから整理。著者の興味も書き方も違う複数の本から、自分に必要な情報を抽出し、同じ基準でまとめるのは意外と大変だけど、地道な努力でクリア。パワポもわかりやすい。ただ、一番知りたいのは、各職人がどんな技術をどの順番で学び、どのくらい時間をかけたのか。だから、複数の職人から共通項をまとめたいし、その技術の具体的な説明も必要。逆に、本ではわからない内容こそ、今後のヒアリングで必須の質問になる。その視点で再度まとめをして、ヒアリングシートを作ってみること。

〈渡部〉A- 前回のC、先週の再発表から大躍進。これまでバラバラだった内容が、研究の骨格に沿って再編できて、生きたデータになった。内裏関係は難解な言葉が多いけれど、建築用語も含めてよく調べ、自分で理解して発表しているから、黒戸という祭祀空間に着目する意味も、その特徴もよく伝わる。史料の扱いも丁寧。今後は全8度の内裏の古図から変遷を整理。一度型ができると後は楽だから、この調子でがんばって。

〈今泉〉A- 民家における2世帯居住がテーマ。今回は、別棟の隠居所の有無を民家緊急調査報告書の配置図から検討。47都道府県の報告書の配置図をチェックするだけでも膨大な作業で、この集計により単純な東西対比ではない地域傾向がみえたのが大収穫。ただ、ここでみえるのは、「隠居」のうち別棟での居住例のみ。安易に「隠居」の語を使わず、せっかく整理した居住分類を参考に、「同居隠居」「別居隠居」など、建物と人の在り方で自分なりに用語を定義して使い分けること。次回の目標は、用語や事例条件のルールブック作りと、プレゼンのレベルアップ。

〈秦野〉B+ 大山の関東大震災の被害を、住民アンケート、当時の1次史料、現存建物の年代から整理。先週はあまりの完成度の低さで再発表。今週は、被害地図はよくなったし、史料上の被害物件も一応把握できたのは◎。が、被害は「ある」だけではなく「無い」ことも重要だし、まだ史料が使い尽くされていない。また、都市史は図での提示が勝負だが、まだまだ工夫が必要。次回は、地籍図+土地台帳から地形を復原し、被害と合わせることになるから、その前に本腰を入れてプレゼンを立て直すこと。

〈柴田〉B 今回から赤坂離宮の仕上げ材と技術にテーマを変更。基本となる赤坂離宮の歴史の把握がぐだぐだでマイナスだけど、建物の説明になったとたんに理解も発表もOK。目にみえるものには強いらしい。特に、史料からみる主要室の内装仕上げについては、補足説明も含めて的確。これを全室まとめ、かつ仕上げごとに原料までさかのぼって使用材をリストアップしてみる。1次史料の調査はこの産地や配合まで含むことになるから、リストは正確さ重視でまとめること。

〈鈴木〉B 再発表の3人目。白川郷・五箇山・利賀村から移築された合掌造のリストを先行研究からまとめ、傾向をみるのが今回のテーマ。集計やグラフはOK、前回の宿題の合掌造の特徴の整理もやっと一覧化。3地域で移築年代や転用傾向が異なる点が面白く、時代背景も予想できる。だから、発表でひどい点は無いのだけれど、みんな一歩ずつ足りない。何のために特徴を整理するのか、グラフから何を読むのか、目的を考えながら進めると、もっともっと良くなるはず。今の作業の目的を理解するためにも、次回は転用例を1棟具体的にみてみよう。

〈木崎〉B 前回のゼミ直後に相模原市上溝の現地調査を実施。成果十分と思っていたのに、なぜ再発表!?今週は、やっと地図ができて(泣)、この地図を基本にした発表形式が確立して、やっと都市史らしくなった(泣)。木崎のテーマのポイントは、祭礼という伝統行事での人の動きを、明治期と現在を繋ぐものとして捉える点で、過去の地域動線や場所に対する人の意識とその継承をみようとしている。だから、山車のルートを「現在」の地図にのせることと、今回作った「明治」の地図にのせることでは、わかる内容、伝える内容が違う。それを意識的に使い分けられると、この研究はぐんと面白くなる。7月末の祭礼調査に向けて考えながら進めること。
by Asae 
[2015-6-14 10:25:05]
 



2015ゼミ第1回発表
今年のゼミ発表がスタート。先週がAチーム、今週がBチーム・・・の予定だったのだけど、先週は発表が3名で、しかも2名が再提出という波乱の幕開け。
そもそも、日頃進んでいる気配が見えないし、質問にも相談にも来ないし、いったい今年は・・・と思っていた通りの展開。あぁ今週も不安と思っていたけれど、まあなんとか足並みが揃ってきて少し安心した。

発表を初めて体験してわかったように、卒論はレポートのように一夜漬けでは乗り越えられないし、ただ本を読んだり調べたりするだけでもダメ。調べたことを自分の研究に必要な情報として整理し、かつ新しくわかった事実をそこに結びつけて考えていくことが大事です。
現在の作業は、「お勉強」のようでつまらないかもしれないけれど、
  1)自分の研究の基礎知識と、論文の作法を身につける
  2)既にわかっている事実を、自分の研究用に再編する
  3)先行研究と比較することで、自分の研究のオリジナリティを考える
という重要な目的がある。
ここをきちんとしておかないと、先に進んだときに、基礎が弱い建物のように研究全体がぐらついてしまうから、手を抜かないこと!

以下講評。
〈秦野〉A-  伊勢原市・大山門前町の関東大震災の被害状況の復原がテーマ。大山は研究室で何度か調査を行っている地域で、その蓄積を元にしたとはいうものの、大山門前町全体の性格や歴史、構成を正確に把握している。他の論文による補足も的確で、理解が深い。惜しいのは視覚的な表現が弱い点。次回から史料等による実際の町の分析に入るから、わかりやすい地図の作成を一番の目標にすること。

〈今泉〉A-  近世〜近代の民家の2世帯居住がテーマ。キーワードとなる「隠居」の法律的・民俗的な意味と、親・子の住居・生活の分離方式を整理した上で、「隠居」に関わる建築例も集めるなど、よく進んでいる。親・子世帯の分割要素として「食事」「住居」「財産」の3点が重視された点は、今日的な課題にも通じて面白い。ダイアグラムも作って、よく理解しているのは伝わるけれど、まだ整理が不十分。課題は、複数の作業の意味を繋げて考えること。民俗的な分類や定義を踏まえて実例をみる場合、何に注目すべきか、例えば「住居」の分離の方法を、図面のどこをみることで判断できるのか、勉強したことと照らし合わせて、考えながら進むこと。

〈鈴木〉B+  合掌造の移築利用がテーマ。初回の発表で撃沈して再提出・・が、出直しの今回は上出来。同じ素材でも、データの使い方、組立て方でこんなに変るという好例。合掌造の特徴を、岐阜・富山の3地域に分けて整理するのが課題で、写真・図面の図示が的確。ただそれを研究で使うには、まだやや理解が弱い。外観・平面・構造に分け、合掌造全体に共通する特徴と、地域ごとの相違を即答できるようまとめてみること。レジュメは箇条書きではなく文章で。

〈佐藤〉B+  地元・秋田の木構造がテーマ。これを、最も平面が単純な「蔵」からみようとしている。まずは木造の小屋組の種類と特性を理解する・・という第一関門はちゃんとクリア。構造に強いだけあって、構造的な説明は完璧。もったいないのは、せっかく小屋組の比較表を作ったのに説明が無いことと、後半のパワポが失速したこと。比較がばしっと説明できたらAなのに・・。早めに現地調査にいけるよう、次はまず秋田の蔵の事例を集めて分析してみよう。

〈荒井〉B  伝統建築職人のヒアリングにより、修業や技術継承の方法を記録し、次世代の職人育成につなげようとする研究。まず基礎知識として、建築職人の分業体制や伝統的な建築工程について学ぶ段階で、工程に沿った職人の整理はよくできている。ただ、近代の新しい材料や技術に伴う分業の整理がいまひとつで、かつ具体的な建築で誰が何を担当するのか、異なるな例をあげて説明できるようにしたい。つまり、「物」と「実態」に即して職人を理解したいということ。材料の話は最少限に留めて、再度整理してみること。次回は職人の聞き書き等からイメージ作り。

〈木崎〉B  地元相模原のうち、かつて蚕糸取引で栄えた上溝地域の集落史がテーマ。この場合、町の歴史を押さえるのがまず常道で、市場の成立やその背景はよく調べているし、理解している。年代ごとの業種を古地図等で調べているのも積極的。が、素材はよく揃っているのに、その料理が上手くない。特に都市史で最も重要な地図の使い方・示し方がバラバラで、かつ時代による変化を話しているのに、年表も、年代すらもない。もったいない。発表で何を伝えたいのか、その内容を画面やレジュメをどう表現すべきか、工夫してみること。次回までに現地調査へ。

〈竹内〉B-  戦前の三井財閥関係者の湘南別荘がテーマで、別荘建築や敷地など「ハード」だけではなく、日記から生活や互いの交流など「ソフト」を読むのが特徴。だから、;三井財閥の人物史をまとめる際に、誰と誰が同世代で、どこで交流があるのか、年代や経歴に関わる情報は重要。そのネットワークを理解するのが、大師会などの近代茶道を調べる目的だから、参加者や創設者、開催場所等の情報が大事。その肝心な内容が不足している。全員の年表と、その関係図を作るくらいの気持ちで、再度整理しなおすこと。

〈柴田〉C  秦野の近代町家とそれを支える職人技術がテーマ。これも木崎と同様、最初は町の歴史と構成の把握が不可欠だけど、煙草産業の記載に振り回されて未完。また、時代の流れと、各年代の詳しい記載で重複が多く、必要な情報の整理ができていないのが最大の敗因。肝心の町や地域の場所もよくわからん。次回から研究テーマを変えるけれど、最初に流れを掴むことは建築史の王道だから、これを教訓に、まず知りたい項目の枠組みを設定し、それに従って複数の論文等から得た情報を整理していく・・という進め方を学ぶこと。

〈渡部〉C- 天皇や将軍などの近世上層住宅の中に作られた宗教的な空間がテーマ。「住む」建築の「祈る」場を扱う着眼点は面白い。まず天皇が住む内裏からスタート。が、建替えの歴史や配置・構成など基本の理解がものすごく薄く、かつ不正確。建築史は「歴史」だから年表不可欠、しかも構成を説明するなら配置も不可欠・・だが、年表は建物の完成年が無いし、配置図も無い。これでは先に進めない。来週までに再提出。
by Asae 
[2015-5-18 12:46:33]
 
Re: 2015ゼミ第1回発表

災害の地図作製はスケールが大きくてすごく楽しいのでぜひ早めからコツコツ行ってほしいです。
職人の題材は、うまくまとめないとただのレポートになってしまいそうなので、いろいろな着眼点から題材を見てほしいです。
上層住宅の題材は、C-をもらうような題材ではないと思います。そのテーマを選んでしまったからには、本気で取り組まないと、いけませんね。

 

[返信] [編集]

by たーちゃん
[2015-5-21 22:52:12]

 
コメント感謝

たーちゃん、改めて結婚おめでとう♥
結婚式の準備、どうですか?

先生っぽいコメント、ありがとう。
どれに関心があるのか、よくわかりました(笑)。
卒論はこれからですよ。とにかく一歩、一歩。

社寺系の調査を奈須ちゃんに手伝ってもらおうと画策しています。
たーちゃんも、またゼミよろしく。

 

[返信] [編集]

by Asae
[2015-5-22 23:06:44]

 



13期ゼミ始動
13期のゼミが始動しました。
今年は11名の予定だったのに、2名が単位不足で足止め。9名でスタート。
昨年の女子部屋から一転して、ガタイのいい男子が多くて雰囲気が一変。
卒論テーマは下記の通り。地元系+技術系が多くて手堅い。

近世上層住宅における祭祀空間の平面・意匠
民家における二世帯居住の地域差とその背景
合掌造民家の移築利用の実態と改造方法 ー昭和30年代水没集落に注目して
大山門前町における関東大震災の被害と復興ー史料とヒアリングによる災害シュミレーション
秋田県における蔵の小屋組形式と発展過程
神奈川県内の伝統建築職人のアーカイブ作成 ー技術伝承と若手職人育成に向けた基礎調査
祭礼を通してみた相模原市上溝の集落構造とその変容
鎌倉市・山本条太郎邸と三井人脈の湘南別荘 ―日記にみる用法と立地・意匠の特質
秦野の近代町家と職人・技術

さて、どういう1年になるでしょうか・・。

by asae 
[2015-4-17 21:21:41]
 
Re: 13期ゼミ始動

書きやすそうな題材と、工夫が要りそうな題材がはっきり分かれていますね。今年もどこかのタイミングでゼミに伺いたいと思います。

 

[返信] [編集]

by ta-tyan
[2015-4-22 0:45:25]

 
Re: 13期ゼミ始動

たーちゃん、コメントありがとう。
さすが!よくわかっている!
これからどうなるか、私にもわかりません。
たぶん田原的には、大山の災害シュミレーションが好みだと思います。

またぜひ見に来てください。

 

[返信] [編集]

by Asae
[2015-4-22 17:51:18]

 



卒業式
今年の卒業式が終わりました。
無事に・・・といえないのは、謝恩会が大トラブルで料理無しになってしまったこと。
この代は、3.11の直後で入学式も新入生研修会も無く、しかも多くの人は成人式が記録的な大雪。
卒業式は晴天でよかった・・と思ったら、最後に大穴がありました(泣)。
卒業生の皆さん、本当にすみません。
しっかり準備をしていた林&塚原、本当にごめん!!

研究室は、女子が多い代らしく本当に華やか。
今年は、自力で進める人が多く、仲もよくて平和な1年が送れました。
1本ずつ渡してくれるガーベラでつくる大きな花束も、スカーフとネックレス(さすが女子!)もセンスがよくて、美しい。
似顔絵入りの「越の寒梅」、初めてみました。
大切にします。本当にありがとう。

辛いときにはみんなのパワーを思い出して、私もがんばります。
みなさんの活躍を、いつも大学から祈っています。
卒業おめでとう。

by Asae 
[2015-3-26 21:39:46]
 



建築史交流会
毎年恒例の建築史交流会が3月14日に開催されました。
今年で18回目。今年の会場は日本工業大学。

東海大からは濱崎源記と岡崎晴香がエントリー。
濱崎は、発表ではいままで見たことが無いほど緊張していたものの、7/11票を集めて建築史研究賞を受賞。
おめでとう。
久々に発表をみたら、さすがの緻密さでした。
晴香ちゃんもお疲れさま。

今年は、次期の10名全員が参加。
足並みがよく揃っているようで期待!油断しすぎかな・・・。

もう来週は卒業式。
みんな良い4月が迎えられますように。

by Asae 
[2015-3-19 23:15:41]
 



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